以前に、ユングの「心理学と錬金術」をレビューする記事を書きましたが、その記事ではあまりに錬金術の説明が不完全だったと思えます。今回は、錬金術というものをもっと理解できる形で紹介するのが目的です。 主な参考文献はF・S・テイラーの「錬金術師」(人文書院)で ...
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カテゴリ: 思想/哲学/心理学
中道、とくに自己肯定感や禁煙概念について
二項対立の超越としての中道 我々は現実世界のことをほとんど知らない。我々の脳は言語を通して、世界を単純化して理解している。 我々はものごとに言葉と概念を当てはめて、ものごとを理解しやすいように一般化していく。細かい不規則的なものを無視する。そうでもしな ...
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八千頌般若経 無上の悟りと個性化過程
序 今回の記事は野心的な内容になります。多岐に渡る内容を攻めることになるので書ききれるかどうかは分かりませんが、結論を最初に、単刀直入に書くことから始めようと思います。 この記事では私はユングの「個性化過程」と、大乗仏教の悟りの本質について考えます ...
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悟りは到達点か、それとも過程か
点の悟りと線の悟り 仮に悟りが二種類あるとして、それを「点の悟り」と「線の悟り」と呼んで考察してみることにしたい。 点の悟りは「小乗の悟り」、線の悟りは「大乗の悟り」と言い換えても良いかもしれないが、あえてそのような言い方はしないでおこうと思う。そ ...
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自我について、個性と普遍性について
自我と統合失調 自我は意識内容の統合の中心である。それがどういう意味か、例で説明しよう。 壁に一枚の紙が貼ってあるとする。その紙に三つの名前が載っている。それを見た人は、「三つの名前だ」と思う。それで終わりだ。 だが、もしその中に自分の名前があったらど ...
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サイケデリックスと自殺
サイケデリックスの使用に自殺リスクはあります。 これは都合が悪いため「専門家」たちもまともに研究しようとしない問題です。 今までほとんどこの問題に触れずにいました。それは語らないことが最もよいと思っていたからです。 リスクを知ることで不安を感じるケース ...
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ユングの手紙ーサイケデリックスについて
私はユング心理学の立場からサイケを考えるということをやってきましたが、なんとユング自身が書いたサイケに関する文章があります。 二つの手紙ですが、これを訳してみます。ネットで見つけたもので、日本語で出版されているかは分かりません。どっちみちユングの伝えよ ...
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意識拡張と「気付き」の構造
意識と無意識の関係 ユングは、無意識が常に自律的に活動していて、強大な力を持っているということを各所に書いている。 我々は自分の意識、自我を「家の主人」であると思い込み、無意識を意識に付き従うオマケ的なものと考えがちだが、ユングの考え方では、意識の方こ ...
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