薬物使用表現

⚪︎薬物の影響下にある事、また常用している事は前置詞onで表す。その薬物の「上に」乗っているようなイメージ。

 I was on LSD yesterday.
 昨日LSDを服用していた/LSDの影響下にあった。

 Are you on meds now?
 今薬を飲んでいるのかい?

He’s on heroin.
彼はヘロインを使用している。

 on 以外には、useやtakeがある。
 I took a painkiller.
私は痛み止めを飲んだ。

I didn’t use for a month.
1ヶ月は使用していない。

I’m on alcohol / I’m on caffeine とは普通は言わない。(ユーモラスな表現としては使えるが)
 合法ものにはあまり使わない。



 ⚪︎Doseには複数の用法がある。
 一つは、摂取量、投与量。
 The dose was 50mg.
 投与量は50mgだった。


動詞として摂取の動作を表す用法。
I dosed myself 300μg.
私は自分自信に300μgを与えた。

We dosed 100mg each.
 我々は100mgずつ飲む事にした(全員が100mg摂取)


次の表現は少し難しいかもしれない。

A dose of LSD
LSDの摂取/LSDの一枚

 I have two doses of LSD.
私はLSDを2摂取分持っている。

 こちらの表現では、摂取量というよりは、摂取されるものそのものを指す。量詞のようなもの(x個、x枚のような単位を表す詞)
なので a doseといったように不定冠詞(a)がつく場合、1ドース、つまり1摂取分という意味になる。


Doseからの派生語
Microdose マイクロドース。文字通り、マイクロ(微小)のドース
Overdose オーバードース。過剰摂取。推奨される用法を超える事が広義のオーバードースだが、狭義ではヘロイン過剰摂取死を指す事が多い。


 
⚪︎サイケデリック関連表現

日本ではPsychedelicとpsychedelics の混用、誤用が多く見られる。
Psychedelicは「形容詞」であり、Psychedelicsは「名詞」である。
日本語で頻繁に見かけるのは、形容詞であるサイケデリックを名詞として使っている例。

I love psychedelic. これは間違いとなる。
正しくは、I love psychedelics. または、I love psychedelic drugs. 

見かける事は少ないが、サイケデリックスの幻覚のさまを表す表現として他にpsychedeliaがある。

The Art of psychedelia.
サイケの芸術性。


上で、psychedelicは形容詞であり、名詞ではないと書いたが、実は紛らわしい事に、名詞的に使われる時がある。だが限定された条件の中でだけである。

Mescaline is a psychedelic.
メスカリンはサイケデリック(ドラッグ)だ。

This is the ugliest psychedelic.
これは史上最も醜いサイケデリック(ドラッグ)だ。
 
Mescaline is a psychedelic.は、メスカリンはサイケデリックだ、という形容表現ではない。
メスカリンはサイケデリックだ、と形容する場合は、mescalin is psychedelic.となる。
すなわち、冠詞(a)がつく事によってpsychedelic が形容詞でない事を表している、とも言える。

ここから分かる事は、実はpsychedelicは名詞でもある、いや本来は名詞であるということ、だがこれは単数形であり、複数形がpsychedelicsであるということだ。
サイケ一般について語る時は必ず複数形にする(psychedelics)。
一つのサイケの場合は単数形(psychedelic)。

上の例文は一つの物質について話しているので単数形にしているわけだが、二つ以上の物質について話す場合、複数形になる。
LSD and mescaline are psychedelics.
LSDとメスカリンはサイケデリックスだ。

サイケについて語る時、一つのサイケ物質ではなくサイケ一般のことである事がほとんどである。だから複数形psychedelicsにする。
I love psychedlicなどという日本でよく見るような表現は、つまりは複数形にしていないのが間違いだとも言える。
まとめるとこういうことだ。
Psychedelic→サイケデリックドラッグ(名詞、単数)、サイケデリックな(形容詞)
Psychedelics→サイケデリックドラッグ(名詞、複数)





⚪︎トリップの形容、修飾によく使われる言葉

Profound 
深い。deepは通常、物理的な深さに使う傾向がある。profoundはフランス語起源で、英語では哲学的な深さに使う。トリップについては、deepと言うよりもこちらが適切な語彙だと言える。トリップレポートではよく聞く。

Alien
エイリアン。だが名詞ではなく形容詞である。これは訳すのが非常に難しい。宇宙的(cosmic)、でもないし、宇宙人的(alien-like)、でもない。
エイリアンの語源はラテン語で、元々の意味は宇宙人ではなく、他、他人、異国の、馴染みのない、といった意味。
DMT体験の奇妙さの形容詞としてよく見かける。
 ジョーローガンはDMT体験についてtitanically alien(とてつもなくエイリアン)という表現をしたが、なかなか訳せないものである。
 ちなみに派生語のalienationは疎外を意味する。


Mind blowing 
頭が吹き飛ばされる。固定観念を覆されるような状況を言う。
超絶に面白い本は全てmind blowingだと言える。
基本的には「衝撃的に面白い学び」に使い、トリップの強烈さやドラッグの「飛び」を表すわけではないので注意。


Intense 
強烈。
だが日本語の強烈よりintenceの方が緊張感が伝わる。何故だろう。
Intenseはただ単にstrongと同じ意味ではなく、緊張感のニュアンスがある(緊張を意味するtenseと関連しているからか)
A strong drugは「強いドラッグ」だが、A intense drugは「強烈な体験を与えるドラッグ」と言った響きになる。つまりはstrong は摂取者の感情を表現してはおらず、物質の特性の説明といった感じなのに対して、intenseは物質の説明ではなく物質がもたらす体験の形容である。(なので物質がintenseなわけではない!)
これはトリップレポートでよく見かける単語です。


Life changing
人生が変わる(ような体験)。
人生が変わったという断定ではなく、人生が変わるようなレベルの体験という意味。
日本語ではこの表現が少し難しい。
「このドラッグで人生が変わった」と言うと胡散臭い。が、「このドラッグで人生が変わるような体験をした」では、変わったのか変わってないのか曖昧で、また胡散臭い。
I had a life changing trip は、その中間くらいを行く。
The trip changed my life(このトリップで人生が変わった)というほどの断定はしてないが、曖昧さもなく、ちょうどいい塩梅の表現である。





○薬物摂取表現


 鼻から薬物を入れることをスニッフ(sniff)と表現することが日本ではかなり定着しているようだが、英語では間違いである。
sniffは嗅ぐことであり、鼻から何かを入れるのはsnortである。
sniffing cocaineでは、英語話者が聞いたら犬のようにコカインを嗅いでいる情景しか思い浮かなばないだろう(笑)。