幻覚分子とは基本的に、自然界にあり、偶然に脳内の情報伝達物質に似ている分子である。なのでこれが血流に入り、脳に取り込まれると、情報伝達物質のかわりに、受容体と結合する。これにより様々な意識が体験される。起きうる事はたくさんあり、リストするだけでかなりの時間がかかる。視覚的な幻覚はほんの一要素にすぎないし、哲学的探求のためやる人からすれば大して重要な要素ではない。
幻覚剤を使用すると脳がより高いレベルの意識に行くことはMRIスキャンで明らかになっている。普段、繋がっていない脳の部分が、互いにコミュニケーションをとるようになる。


なので、これによって例えば感覚が混ざり、音を色として見るなどの現象になったり、目を閉じても、視覚中枢が他のどこかと繋がっているため閉眼映像が見えたりするのである。

幻覚剤は実はいくつかに分類出来るが、それがあまり認知されてないのでそれに当たる日本語はあまり無い?全部一緒くたにされている気がする。

例えば、LSDでは基本的に「ないものは見えない」。これが多くの人が勘違いしてる所。
「完全にないものが見える」薬は、実は別にあるのである。

幻覚剤の3大分類は、
Psychedelics (サイケデリクス) 直訳:「幻覚剤」サイケデリックといえばこれ。

Dissociatives (ディソシアティブ) 直訳:「解離性」解離性麻酔とも。

Deliriants (デリリアント) 直訳:「せん妄を引き起こす」

これら全てを含んだ幻覚剤の総称を
Hallucinogens (ハルースィノジェン)と言う。

MDMAやTHC(大麻)は、サイケデリクスに似た効果が多少はあれど、厳密に幻覚剤としては分類されない。
※MDMA類は、Empathogenと呼ばれる事がある。訳は「共感(するドラッグ)」

ただしこれは大まかな分類に過ぎない。どれにも含まれないものもある。
幻覚物質はかなりたくさんあり、まだ見つかってないものもたくさんある。マイナーなものほど、使用経験者も少なく、研究も十分にされてない。

まずこの三つが、それぞれ脳にどう作用するかの違いを説明しよう。

Psychedelics (サイケデリクス)
幻覚剤といえば基本的にこれを指す。
LSD、シロシビン(マジックマッシュルーム)、DMT、メスカリン、それらのアナログ。
神秘体験や、精神成長、レクリエーションのために使われるのは基本的にこれ。

サイケデリクスは5-HT受容体のアゴニストである(セロトニンと似た分子構造のため、セロトニン受容体と結合する)。
5HT受容体はたくさんあるが、そのうち最も関わりが深いのは5HT2Aだと考えられている。


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セロトニン、シロシン、DMTの分子。非常に似ている事が分かるでしょう。
※ちなみにマジックマッシュルームの幻覚成分はシロシビンと言いますがこれは体内でシロシンに変化します。

これらサイケどれもは大体は似た体験ができ、大差はない。特に少量だと。
しかし、使用量を増やすにつれ、ハッキリと、一個一個、性質の違いが現れると言う。
サイケデリクスは基本的には5HTをメインに関わるが、他の受容体とも関わり、弱い関わりがそれぞれ微妙に違う。メインじゃないマイナーな関わりが、摂取量の大きさにつれて、顕著に見えてくるのだろうと考えられる。
DMTとマジックマッシュルームは上でも見たとおり、似た分子なので実は非常に似たトリップになる。これらはトリプタン系幻覚剤である。
LSDはリゼルグ酸系、メスカリンや2c系はフェネチルアミン系と呼ばれる。


Dissociatives (ディソシアティブ)
は、ケタミン、PCP、DXMなど。
サイケデリクスに比べると、あまり使われない。
NMDA受容体のアンタゴニストである。つまり、NMDA受容体を遮断するので、この受容体が普段行なっている活動が減る/無くなるという訳だ。
これが痛み(鎮痛)や、記憶、知覚、認知機能に影響する。


Deliriants (デリリアント)
これも、アンタゴニストで、受容体を遮断する。主なのは、アセチルコリン受容体の、特にムスカリン受容体である。
つまりアセチルコリンが関わっている活動のレベルを低下させる。
なので抗コリン薬とも呼べる。
(処方薬の、抗コリン薬は、実はこのせん妄剤である。アキネトン、アーテンなど)
他ベラドンナやダチュラなどの植物。(当然ですが薬を適量飲んだだけでは幻覚はありません)
ドリエルやレスタミンに含まれるジフェンヒドラミンも、デリリアントとしての効果があります。
デ リリアントは、ほとんど人に使われる事はないので、一番危険であるにも関わらず合法なものが多い。(多いというか、全部?)
ピラセタムなど、アセチルコリンを放出させる薬はDeliriantsの幻覚を相殺するようだ。



この三大分類に含まれない幻覚剤もある。
サルビノリンA(サルビア)や、イボガイン(イボガ)など。
これらはκオピオイド受容体と結合し、psychesやdissosに似た効果をもたらす。
幻覚剤体験はよく「説明不能」と言われますが、サルビアは特に他の幻覚剤ともタイプが違い、一番意味不明と言われる事が多い。
また一般のマジックマッシュルームと違う幻覚キノコ、アマニタムスカリア(ベニテングダケ)も特殊な作用機構を持っている。

次はそれぞれの効果の違いを紹介しましょう。

Psychedelics (サイケデリクス)
は、視覚や聴覚を変えるのが顕著です。よく、綺麗なものが見えるといいます。模様が現れたり、形の変化や、色の強調、動くものの残像、呼吸(伸び縮み)。
外(内)の世界が違って感じられますが、普通量の摂取では、まだ普通に体を動かし、活動出来ます。
サイケは見るもの、聞くもの、感じるものにかなり強い感情のレスポンスを得ます。
強烈なのでコントロールが難しい場合もあります。しかし同時に、悟りや、クリエイティヴィティに役立つ可能性があります。


Dissociatives (ディソシアティブ)
は、外の世界を変化させるというよりは、外の世界から遮断される感覚です。
解離します。そして現実を別のもので置き換える場合もあります。
肉体や自我を失う感覚や、世界が偽物という感覚を引き起こせます。(これはサイケでも起きる)
サイケに比べると、視覚効果は少ない。サイケで見える模様などはない。ただし、視界がぼやけたり、距離感の変化や、視界の分解(スライス)などが起きうる。
体と外界の区別が難しくなり、幽体離脱的体験も起きうる。
ネガティブな体験は起きうるが、サイケデリクスと比べると、感情の起伏は大きくないので、(比較的)耐えうる。(サイケのバッドトリップは今死ぬ、終わった、という感じで暴れるが、ディソのバッドはいつか死ぬと絶望しながら寝てるだけという感じ)
強烈な体験をすると、自我(自分がいるという感覚)が失われるので、終わった後、夢のような感じだったと説明すると言う。

DMT、5meo-DMT(日本でいうゴメオとは別物)、サルビアなどは、ディソに分類はされませんが、そのピーク効果はディソに似たものだと言います。


Deliriants (デリリアント)
は、本当の幻覚剤とも言える。つまり、サイケのように、ものが違って見えるのではなく、完全にないものが見え、ドラッグによる妄想だと本人は分からず、妄想世界が本人には真実なのである。このため、使用は危険と言える。
存在しない人と完全な会話をしたり、存在しないタバコを吸ったり、存在しない虫などを見たりすると言う。
ないものがあるの逆で、車や、扉など、あるものがなくなる、という場合も。これはサイケでは非常に稀だと言う。
これでもサイケのような視覚効果はない。
他人との距離を感じると言う。うまくコミュニケーションが出来ていてもそう感じなかったり、本当は出来ていても出来ていないように感じたりする。
デリリアント体験は、大部分、あるいは全てがマイナスだといい、サイケデリクスと対照的である。
簡単な動作や、家族の認識など基本的な事が出来なくなる。
記憶も意識もなく危険行為などをする可能性もあるので、悪い体験になることがほとんどだが、稀にいい体験をするケースもあると言う。
デリリアント状態は精神病に近く、暴力的になる可能性もある。
なのでトリップシッターなしでやるのは危険、いてもまだ危険と言える。

この記事はYoutubeチャンネル、the drug classroomの動画
Hallucinogens: How Psychedelics, Dissociatives, & Deliriants Differを元に作りました。

サイケデリクスがデリリアントと勘違いされてる気がしたんで、少しでも知識増強に役立てたなら嬉しいです。

そしてDXMはしょぼい幻覚剤ではなく、独自の立ち位置を持ったれっきとした幻覚物質であるという風に見てほしいですね。